これが、あたしの彼氏です。【完】
―――それから、何時間が経っただろう。
不意にうっすらと目が覚めて、カーテンの隙間から見えた空にそっと目を向けると辺りはもう奇麗な茜色に染まっていた。
「………」
壁に掛かっている時計を見上げると、長い針が丁度5時過ぎを差している。
凄い長い時間寝ちゃったんだなあ…なんて思いながら、あたしはふとベッドの右端に感じた違和感に、そっと目を向けた。
「………!」
すると意外にも、あたしのベッドにもたれて気持ち良さそうに眠っている矢沢君の姿が、あたしの目に入った。
あたしはそんな矢沢君を見て、不意にふわりと小さな笑みが漏れる。
結構可愛い顔して寝るんだ…なんて思いながら、あたしはそっと矢沢君の寝顔を見つめた。