これが、あたしの彼氏です。【完】



けれどもうこんな時間だし起こした方が良いだろうと思い、あたしはそっと矢沢君の肩に手を伸ばす。


「矢沢君?起きて。もう5時過ぎだよ」


小さな声でそう言って、矢沢君の肩を二、三回揺らしてみても、矢沢君は相当寝入っているのか、一向に目覚める気配がない。


「……ねぇ、矢沢君ってば」


あたしがもう一回矢沢君の肩を揺らして、小さく名前を呼ぶと――――、






「―――――――絢…」





不意に、聞いた事のない女の人の名前が、矢沢君の口からそっと聞こえてきた。



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