これが、あたしの彼氏です。【完】
「ご、ごめん。矢沢君のメールがあまりにも急だったから…」
「あ?メールで言わなくても日常茶飯事だと思える勢いで毎日来れるようになれよ」
「えぇ!?そ、それはやだよ…!」
「あぁ?俺のメール一つですんなりとやって来るくせに何言ってんだ」
「……それは、あたしの友達が他のクラスの子とお昼食べに行ったからで。一人で食べるのも嫌だし、仕方なく矢沢君のメール通りにしようかなって」
「お前、優先する順番が間違ってる」
「……いや、あたしが合ってる」
あたしが矢沢君に必死に言い返すと、矢沢君はギュッと眉間に皺を寄せて仕舞いには何だか不満そうな顔をした。
「もう良い。お前もさっさと昼飯食え」
「え?あ、うん」
矢沢君はぶっきら棒にそう言うと、目の前にあったお昼ご飯のパンをバクバクと口に入れる。
「……矢沢君、そんなに急いで食べたら喉が詰まるよ?」
「うるせぇ。詰まらねぇよ」
あたしがそう言った数分後、矢沢君は本当にパンを喉に詰まらせた。
あたしはそんな矢沢君に「大丈夫?」なん声を掛けて、そっと目の前に置いてあったお茶を手渡してやる。
ほんのちょっとだけど、矢沢君はちょくちょく馬鹿だなあと思う。