これが、あたしの彼氏です。【完】
それからの数十分後、不意に5時間目が始まる予鈴のチャイムが鳴り響いて、あたしはそっとその場に立ち上がった。
「じゃあ、また放課後な」
「え。今日も一緒に帰るの…?」
「…あ?それ以外に何がある」
「あ。いや、何もありません……」
その時の矢沢君の眼力がちょっと怖かったから、あたしは少し視線を泳がせつつも小さい声で矢沢君の言葉に了承した。
「じゃあ、また放課後に」
「ああ」
あたしはその後の授業も真面目にきっちりと受けて、睡魔が途中で襲って来たりもしたけれど何とか踏ん張ってノートを無事に取り終える事が出来た。
「じゃあ心、また明日ね」
「うん。昼休みの時はごめんね」
「良いのよ!じゃあね」
その後、笑顔でそう言って部活へと向かって行く由希にあたしはブンブンと大きく手を振った後、あたしも矢沢君が待っているであろう校門前へと急いで向かった。