これが、あたしの彼氏です。【完】


「ご、ごめん。担任の話が長引いて……」

「ああ、別に良い。帰るぞ」

「え?ああ、うん」

急いで校門前へ辿り着いたあたしは予想通り校門前に立っていた矢沢君に声を掛けて、あたしはそそくさと矢沢君の隣に並んだ。


「…矢沢君、今日は『遅い』って言わないんだね」

「あ?それはお前に待たされた時だ。今日はそんなに待ってない」

「…あ、そうなんだ。矢沢君のクラスも担任の話が長引いたの?」

「いや、長引いたって言うより、担任に呼び止められた」

「あ。また説教……?」

「あぁ?てめぇ、ふざけた事言ってんじゃねぇよ。俺が説教されるわけねぇだろ」

「…えぇ」

何処からどう見ても、説教させられる要素が大アリなんですが。

「何だ、その不満げな顔」

「あ。いや。別に?」

「ふーん」

その後、これと言って話す話題もなくあたしは矢沢君と一緒にいつもの駅へと向かった。
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