これが、あたしの彼氏です。【完】
「そ、そっか。なら良いの…うん」
「…テメェ、やっぱ久瀬だったんだろうが」
「……あっ、」
「馬鹿が」
「……や、矢沢君に、馬鹿だけは言われたくない…」
「あぁ?」
声がだんだん小さくなっていくながらも言ってやったぞと思ったその瞬間に、
「黙れ地味女が。」
大ダメージを及ぼす一撃がスラリと返ってきて、思わずムッとした。
「―――おい、心」
「……え、はい…」
すると矢沢君がそっと口を開いて、何故か真剣な目であたしを見つめて来た。
「……やっぱムカつくから」
「え?」
「今度の土曜日。俺の我儘に付き合え」
「……はい?」
「俺と、デートしろ」
「………えぇっ!?」
矢沢君につきつけられた、更なる試練が幕を開こうとしていた――――。