これが、あたしの彼氏です。【完】



「―――――おい、」

「……うわ…っ、や、矢沢く…」

午前中の授業があっという間に終わり昼休みを迎えた頃、いきなりあたしの教室に足を運んで来た矢沢君に、あたしは一瞬ビクっと驚いてしまった。
そんなあたしの行動に矢沢君は眉間にギュッと皺を寄せる。


「…お前。メール見たか」

「えっ?メール?」

「……見てねぇんだな。まあいい。そこまで大事な用じゃなかったし」

「あ、ごめん。学校ではほとんど電源切ってるから…」

「…あぁ?それ携帯持ち歩いてる意味あるのか」

「………ご、ごもっともでございます」


けど、あたしが本当の意味で電源を切っている理由は、学校でも矢沢君に携帯一本で左右されるのが嫌だからだ。


「まあ良い。屋上行くぞ」

「えっ、別にあたし……」

「良いから来い。メール見てなかった罰だ」

「な!?」

どうしてそうなるの…なんて思いながらも今日も渋々屋上へ行く事になって、あたしはお弁当とお茶だけを持って矢沢君の後ろをトボトボと付いて行く羽目になった。
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