ユーダリル
「頑張るね」
「知識は、邪魔にならない」
「似合わない言葉」
「そうか?」
自分ではかっこよく言ったつもりなのだろうが、いかんせんゲーリーが言う言葉ではない。
これも日頃のゲーリーの性格が関係しているのだが、本人は全くわかっていない。その為、首を傾げるだけだった。
いつものウィルであったら、からかうつもりでそれを指摘しているが、今回は真剣に勉強をしているので、からかうということは行なわない。それどころか、勉強を頑張れと応援した。
ウィルは近くにあった本を手に取ると、床に腰掛ける。そして仲良く並んで、読書を行なう。
二人の読書の時間は、夕方まで続いたという。途中、笑いと愚痴が混じった会話を行い、徐々に話が盛り上がっていく。その後、それぞれの自宅へ帰って行き、明日に備えたのだった。