ユーダリル
「わかった」
「有難うございます」
「ユフィールに優しいね」
「私達にとっては、妹のように思っていますので。それに彼女は健気で、見ていますと手を貸したくなります」
一人のメイドの言葉に賛同するように、全てのメイド達が一斉に頷く。
それだけユフィールは、彼女達に愛されていた。
ユフィールが仲間達に愛されていることに、ウィルも嬉しくなっている。
彼は微笑を浮かべると、これからもユフィールのことを支えて欲しいと頼む。
まさか、ウィルの口からそのような言葉が出るとは――これまた一斉に、メイド達が顔を見合う。
「な、何?」
「いえ、何でもありません」
「お優しいのですね」
「世話になっているからね」
彼女に食事の面と、掃除の面の全てをやってもらっている。
彼曰く、お陰で大分楽な生活を送れているという。
家事全般ができるウィルであっても、ユフィールには敵わないからだ。
「ユフィールは、ウィル様の自宅にいる方が生き生きしている感じがします。何と申しますか、元気です」
「そう?」
「はい。街ですれ違った時ですが、満面の笑みを浮かべていました。ウィル様が優しいからです」
「……恥ずかしいな」
メイド達の絶賛の言葉に、ウィルは照れを覚え頬が微かに赤く染まっていく。
更にポリポリと両方の頬を掻き、何と言葉を続けていいか迷う。
それだけ、動揺を隠しきれないでいた。
「そういえば、いつまでユフィールを……」
「できれば、ずっと頼みたい」
「では、私達が頑張ります」
「頑張る?」
「はい。ユフィールの分もです」
それに週の大半をウィルの自宅で過ごしているので、専属のメイドというより完全に若妻状態。
それを楽しんでいるユフィールをウィルから切り離すのは、実に可哀想。
それなら自分達が頑張って仕事を行えばいいと、メイド全員が決意する。
この二人は、見ていて幸せになるからだ。