ベィビィ、アィ ラヴ ユー ?


二人でお墓の掃除をして
花を手向けて
お線香を点けた。


そして手を合わせる。


「お母さんはいつ…?」


「大学生のとき」



苦労して女手ひとつで
彼を育てた母は


無理が祟ったのか


体を壊して大学卒業前に
亡くなってしまったらしい。


「何も親孝行して
 やれなかったんだよね…」


「そうなんだ…」


「ムリして大学まで
 出してくれたのにさ」


課長がものすごく
悲しげな顔をする。


「もう少し
 生きてて欲しかった…」



課長が甘えん坊なのは
マザコンなのかもしれない
と思った。


今までそんな男は絶対イヤ!
と思っていたけれど


母親を大切に出来ない男より
少しマシかもな、とも思った。


「ユカちゃんに
 会ってもらいたかったんだ」


そう言って少し笑った。




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