Moon Light
質量感たっぷりの彼で私の中はいっぱいになる。こんな感覚は久しぶりだ。
上になり下になり、さらには後ろから激しく突かれ続ける。もう何度意識が飛びそうになったか分からない。 それでも現実に引き戻されるのはその度に胸の頂を捏ねられるから。
琢磨に激しく揺さぶられる程に彼と愛し合えていると実感出来て自然と涙が溢れた。
その涙を指で拭いキスをくれる。彼がもっと欲しくて彼の首に腕を回しせがんだ。
「…あぁっ…もっとぉぉ…」
「…ったく、煽るのは変わってねーな」
「…琢磨っ、壊してっ…」
「お望み通り、壊してやるよっ」
激しい律動に翻弄され矯声を上げ続けた後の事はほとんど覚えていない。気がついた時には朝で琢磨の腕の中で優しく髪を撫でられていた。
「目、覚めたか」
「…うん」
「しかし、兄貴と女を共有するとはな」
「…ごめんなさい」
「いや、あの時お前を手離した俺が悪いんだ」
本当にそう思っていてくれるなら嬉しいと思う。でもいつだって琢磨の言葉は半分が本当で半分が嘘で固められている。
信用ならない危うい男だからこそ惹かれてしまう。私が何も言わなければこのままの関係は続いていくのだろう。
すでに私の中で正樹には一生嘘を突き通して行く覚悟だ。だから今はこの脆くて危ない関係に溺れていたい。
「琢磨、抱いて」
私は自ら彼の唇を塞ぎ舌を絡めた。
FIN