【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
落ち着いて隼の話しを聞けば人間の顔じゃないと言う意味を理解出来たかもしれない。
でも、私は隼にそんな風に思われていたって言葉の方がショックだった。
前よりずいぶんいろいろ話してくれるようになったけれど
言葉が足りなすぎて理解出来ないことも多い。
どんな時でも聞こえる隼のバリトンを私は聞き逃す事がない。
だから直球で私の鼓膜や脳や心に届く。
「自分の感情をぶつけすぎだなって反省もするんですよ。」
「反省してるうちは大丈夫よ。若も1人で極道の世界に入った結衣さんが、誰にも気持ちをぶつけないでいたら心配だと思うわよ?ぶつける相手が誰でもなく自分である事が嬉しいはず。全部包んでやろうと思ってるはずよ。」
「白川の組長さんも若もそうですか?」
「組員に八つ当たりしたら怒鳴られるわ。だけどうちのに八つ当たりしたり、文句いうのは喧嘩にはなるけど、大した問題じゃないみたいね。」
幸恵さんは穏やかな顔で話してくれた。
「若も?」
「うちは、しばくぞ!って言いあうわ。あははは」