【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀


玄関の方も燃えていて出られそうもない。


だからリビングへとつながるキッチンのドアをあけた。


でもそこもすでに火の海で引き返し逃げ道を探していると


かすかに消防車のサイレンの音が聞こえてきた。



「麻衣さん、消防車来ましたからね。ここから近い部屋で外へ出られる窓がついてる部屋はありますか?」


「和室…。」


「こっちですか?」


麻衣さんが指さす方へ今度は静かに足を進めた。


黒い煙がどんどんおいついてきて息が苦しい。


熱風で身体も熱く目も痛い。


「麻衣さ…ん…もう少しです…さぁ歩きますよ。」


「結衣さん、私を置いて行って下さい。さぁ早く。」


「ダメです。それは出来ない。一緒ですよ。隼も三浦さんも絶対に来てくれます。頑張りましょう。」



もう一度麻衣さんの口にハンカチをあて自分の口元も袖口で塞ぎながら歩いた。






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