【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
「休みにしちゃいたいんだけど生活かかってる子もいるからそうもいかないの。」
「はい。」
「それで、他の店で元気な子と春香にも手伝ってもらうし私も店に出るから、戻らないとならなくなって。せっかくなのにごめんね。」
「そんなのは全然大丈夫です。私はもう元気だし。それより私もお手伝いに行きましょうか?」
「はぁーーー。」
横から隼のわざとらしいぐらい大きなため息が聞こえ
「結衣がこういうのわかってて言ってんだろ。」
「あははは。隼悪い。絶対結衣ちゃんに触れさせないようにするから。ヘルプの椅子に座って笑ってるだけにするからお願い。」
それでも隼は返事すらしない。
「隼?これは私の仁義だよ?隼だってそう。仁義通さない気?」
「あぁ?」
横から怒りを含んだバリトンが聞こえてきたけど
私が姐さんである由香里さんの手助けをするのは当たり前のことだ。
少しでも役に立てるなら何だって手伝いたいと思う。
「何時に出るんだよ。」
隼がふてくされながらも言うからOKだとわかった。
「もう出れる?」
「はい。」
私と隼は部屋に戻ると急いで荷物を片付けロビーへと戻った。