【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
極道と堅気の女
朝、目が覚め、仕度をして食堂へ向かおうと部屋を出ると
珍しく隼が起きていてドアの前にいたけれど
私は無視をして通り過ぎた。
響さんと由香里さんに挨拶をして座ると隼も来た。
「ママ、あとでお話があります。」
声をかけると
「結衣ちゃん?また差別か?」
深みのあるバリトンが悲しげに言うから
「結衣って呼んで下さいね。」
「パパで頼む。」
「はい。パパ。」
「聞いたかおい。娘っていいな。」
由香里さんと響さんはとても嬉しそう。
だけど私の左側からは完全に負のオーラが漂っていて
「結衣。」って呼ばれても知らん顔をする私に
「何、喧嘩したの?」由香里さんが聞いてきた。
「相当、猛烈に怒ってます。」
由香里さんと響さんの方を見ると
「とことんやれ。」
響さんが言ってくれた。
「承知いたしやした。」
私の返事に2人はゲラゲラと笑い
「あとでママをお借りします。」ってお願いにも
「あぁ。」と微笑んでくれた。