【完】甘い香りに誘われて 2 *極道若頭×姐さん修行中の♀
部屋を出て困っていると
「結衣さん。」
助けてくれたのは植木さんだった。
「お部屋までご案内しますよ。」歩きだしてくれたから
私は黙ってついていった。
「若と喧嘩をされたんですかい?」
「はい。」
「実に潔い。でもね、出かける時は笑顔で送りだしてやらなきゃいけやせんよ。」
「はい。」
すごーく腹がたっていたけれど、私も見送りだけは笑顔でしてあげたかったから隼の部屋の前まで来ると植木さんにお礼を言い隼の部屋をノックした。
「隼。」
「おいで。」
私はドアをあけて部屋に入った。
隼はもう着替えが終わっていて出かけるところだったようだ。
「結衣、…」
隼は何か言おうとしたけれど
「今、話すと腹がたって笑顔で見送れなくなるからやめて。」
私の顔を見た隼はそれ以上は何も言わなかった。