なんで私が芸能人ッ!?
「はいカーーーーッ!!」
監督の声と共にりまに戻る。
「良い感じだな。じゃー次のシーン行くぞ。」
その指示にしたがってみんなが動く。
すると、私に先輩がよってきて
「好調だな。」
って言ってきた。
「はい!!………なんかプロの方に囲まれたからかわからないんですけど、すごい未夢目線になれるんですよね。」
「未夢目線?」
「んーと、感情とかが未夢のものになって、自分が消せるんです。」
「消す……。まあ、進歩したってことなのか?」
「はいっ、多分。」
「多分ってなんだよ。」
複雑そうに笑ってる先輩。
「あっ、そんなことは置いといて、そろそろスタンバってきますね。」
「おうっ、ってそんなことかよ!?」
おっと失言。
「いえっ、なんでも。
それじゃあ………見ててくださいね、先輩っっ。」
それだけ言うと、今度は先輩の顔がふっと緩む。
……と思ったら、いつもみたいに口をにってして笑うんだ。
「おう、頑張れよ。」
ってね。
それじゃあ、笑顔で一発野村未夢に!!!
「よぅい、カーーーーッ!!!」
「おはよー。」
普段通りに挨拶してくる恵梨。
それに続く真由。
あー、だるい。そう思いつつも返事をしてると、今度は恵梨がいじめてる横山日菜って子が入って来た。
「うっわ~、横山今日も来たんだ?
よく来れるよね、ウケる。」
入ってきた瞬間に絡む恵梨。
「………あーあ。また始まった。」
あたしは呟いて、恵梨を見る。
うちらは横山なんてどうでも良いのにね。
つーか、恵梨大分横山好きじゃね?
いろいろ恵梨が横山に絡んだ後、あー……真由もかな。
チャイムがなって先生が入ってきた。
「はい、カーーーーーッ!!!!」
そこで監督の声。
ぱっとりまに戻りながら、案外NGが無いもんだなぁって思った。
ま、まだ2回目だしね。
それから何回か撮った撮影には、5回もNGがありましたとさ。
監督厳しいねー。
でも私は今のとこ1つもなしなんだよ!!!
誰か褒めてーーっ。
…………って、なんか私おかしいな。
やっぱり、こんなに二重の演技してたらキャラがおかしくなるのかも。