なんで私が芸能人ッ!?
來side
マネージャーとして。
そう、りまが言った言葉。
なんの意識もしてないのが更にムカつくよな。
もちろん、そんなこと顔に出せるわけないけど。
売り出し中の芸能人好きになるとかマネージャー失格なわけだし、その点ではりまが正しいのはわかってる。
カースト学級打ち合わせ日……俺は驚いたことが2つあった。
りまが宮崎さんに何故か気に入られたことと、りまが姉のことを笑顔で話したことだ。
そもそも宮崎さんはスタッフ・共演者に差し入れなどの気遣いはするが、あまり話さない。
まして、自分から他愛もないことを話すなんてもっての他だ。
やっぱり、りまに何かを感じたんだろう……。
それから稚菜さん……なんとなく俺に気があるように話しかけてくるこの人は苦手だ。
ともかく、その人にひまの妹として見られたときも平気そうにしていたりま。
このまま、笑顔で撮影出来りゃ良いんだが……。
そして撮影初日。
控え室でりまと話すと、りまの心情の変化が見えた気がした。
つーかあいつ、本当に俺のことマネージャーとしか見てねぇ。
気がある風出してる癖に…………。
あーっ!!!
ってなんでこんなにりまのこと考えてんだよっ。
いや、好きっつーのは自覚した……けど、なんかかっこ悪っ……。
「マネージャーか………」
俺はそう呟いて撮影現場に向かった。
撮影が始まっていたスタジオ。
見ると、宮崎さんとりまの二人が……オーラを放っている。
周りに目を向けると、複数の人が息を飲んでいた。
「カーーッ」
って監督の声が聞こえて、りまに近寄った。