なんで私が芸能人ッ!?
****************次の日の撮影前**********************
あ~、昨日りまって叔母とあったんだよな。
まあ叔母の話なんて何も聞いた事ないけど、りま昨日ちょっと変だったからなぁ。
っていうか、今もインターホン押してるのにでねぇし。
そう思ってると。
「先輩…ごめんなさい!!
えと、まだ用意できてなくて…。」
出てきたりまは、俺が怒ってると思ってるようで急いで用意をしに行ったようだ。
つか……確かに怒る出来事だけど、別にそこはそんなに気にしてない。
マネージャーとしては怒るべきだけど、叔母の話とか聞いてたらふつう心配するだろ。
「お待たせしました!!」
りまが出てきて、撮影に向かう。
…………やっぱおかしい。
絶対なんかあっただろ。
「おい。……なんかあったか。」
「はい!?いえ、なにも無いですが…。」
マジ見え見えの嘘ついてくんだけど。
「昨日、叔母が来る日だったんだろ?
今日は学校にも来てなかったし。」
「あ………。」
少し言い淀むりま。
「本当に、なにも無いんです。
だから、気にしないでください。」
ほら……昨日からコイツおかしい。
そしてこの俺が感じた違和感は、りまの演技に顕著に表れたーーー
「よーい、カーーッ。」
………撮影が始まった。
「ねえ、未夢なんでしょ!?…いじめの主犯。」
「あたしが主犯になれるわけないじゃん。
っていうかいじめとか言っちゃってるけど、全部自分がしてきたことでしょ?」
やっぱり……これは未夢じゃない。
りまだ。
………それも多分間宮さんと会う前がこんな感じだったのだろうという雰囲気。
「っ……!
そ、んなの…わかってるよ!!けど…。」
宮崎さんも少し戸惑ったようだ。
「はいカーーーっ!!
良いよー、じゃあいったん休憩ね。」
横山役の子が出てきて満足そうにokをだす監督。
確かに、芸能人モードのりまとは今のりまは全く違う。
どちらかと言えば未夢のほうが近い。
それでも未夢には感情があるが、今のりまからは感じられなかった。
気付いたのは宮崎さんだけか………。
そう思って宮崎さんへの評価も少し変える。
宮崎さんのことをそんな感じで考える余裕も少しはあった。
それでも大部分はりまだった。
なんでりまが演技に支障を出すほどの悩みを相談しなかったのかイラつき、有無を言わさずりまを現場から連れ出す。