なんで私が芸能人ッ!?
次の日、俺とりまは相談して撮影の遅れを取り戻すために帰ることにした。
撮影現場に入ると、今までで一番緊張してるんじゃないのか?という感じのりまになっていて。
「………なに、お前緊張してんの?」
ついそう声をかけると、バッと顔をあげりまに
「図星かよ。芸能人のりまも入ってないだろ。」
そういって笑うと、うつむいて本当に落ちこむりま。
「りま、顔をあげろ。」
だから今日はアドバイスをしよう。
「前回の撮影は気にすんな。
気になるなら後でちゃんとケリをつければ問題ない。
だから……りまはただ、自信を持ってやれば良い。」
………………。
「ほら、行け。」
元気が少し湧いてきたようなりまにこえをかける。
「はいっ。」
……うん、いい返事。
と思ったら
「あっ、先輩!!!」
その声に振り向いて
「ありがとうございます、先輩♪」
りまの満面の笑顔を見た。
あーっ!!!お前……わざとやってんのか?」
…………本当に。
「は………?」
もちろんりまにはなんのことだかわかってないようだが。
「もう良いよバカ。」
「え……え?」
「さっさと行けって意味。」
「はーい………。」
ほんと無理だわ…………
でも。
「りま!!」
……………………。
「頑張れよ。」
それを聞いてりまが笑顔でさった後、俺はにやける顔が治まってから監督のもとへ行った。
「…………あいつマジで無自覚。」
マジで困るから、と呟いて。