なんで私が芸能人ッ!?
「そうです、けど?」
ふはっ。
吹き出すのを懸命に心の中におさめる。
こいつ普通に返してきやがった。
本当に珍しいやつだな。
つか、動きが固まったまんまなんだけど。
…………やっべ、ウケる。
吹き出すわこれ。
矢城りまと話そうとしてたことも忘れた俺は吹き出す前に外に出ることにした。
あー面白れぇ。
地味なやつって結構面白いんだな。
俺と話しても顔色1つかえねぇ。
はじめはこんな少しズレてる(サイズがあってないんじゃないか?)黒ぶちのダサい眼鏡。
制服は膝下で第一ボタンまできっちり閉めてあり、適当に結われたであろう、二つに分かれたそこまで長くはない黒髪。
こんな地味子に芸能人なんてできるか?
って思いも少しはあったけど、その不安を上回る演技力。
絶対に手に入れてやる…………。