なんで私が芸能人ッ!?
俺は無言で海斗の頭を殴った。
「いってー!!!!何すんだよっ。」
「うるせぇな。仕事のことを大声で言ったお前が悪いんだろ?」
「普通そんなことで殴るか?つーか別にバレても良くね?」
「…………お前はそんなに俺に付きまとうようなやつらを増やしたいのか?これ以上?」
「來………、それって結構嫌味だぞ?」
「知るか。うぜぇやつが増えて何が嬉しい。」
誰だってそう思うだろ。
というか、変われるもんなら変わってほしい。
何が悲しくてあんなやつらと登校時間も休み時間も下校時間までいなきゃなんねぇんだ。
「それが嫌みだっつーの。」
「とにかく、それをお前に言われたくねーよ。」
「まー俺も藤堂來君に次ぐ校内2位の男なんで?」
………自分で言うか、こいつ。
「んで、結局スカウトはどうなったんだ?」
「ああ。中等部三年の矢城りまっていう超地味子。」
そうして俺は軽くさっきの出来事を話した。
「へー、面白そうじゃん。來のこと知らないとかww
しかも人気モデルの矢城ひまの妹だろ?」
「ああ、けど矢城りまにはモデルじゃなくて女優をやってもらう。」
「ふーん、良いんじゃない?來が認めるなんて相当な実力者なんでしょ?」
俺は頷いた。
確かに俺が認めた人物はそういない。
だが………俺が認めたやつらは上へ登っていくんだ、絶対に。