なんで私が芸能人ッ!?
******************通学路にて******************************************
私なんかは使わない。そう決めた日からはや二日。
…………なんだけど、学校へ行く足取りは重い。
「はぁ~~~っ。」
学校に入るときも、教室のドアを開けるときもまずため息をついてからというこの有り様。
それから、自分の机に座った瞬間思いっきり伏せる。
理由?だって、今日は交流会の日だよ!?あっとゆーまにだよ!?
まあ……たんに交流会だけならともかくあの日、忘れてたけど…………
わ、私先輩にでこちゅーされちゃってたの!!!
先輩からしたら大したことないのかもしれないけど、このメガネッ子みたいな経験無い人にとっては大事なことで……。
つまりは、ちょっとだけだけど……意識しちゃうんだよね。
ていうか私じゃなくても、あんな綺麗な顔が近づいてきてでこちゅーってだけで失神するわっ!
ほんと、綺麗な顔してたなぁ………。
…………じゃなくて!!
まずは、今日一日どうしようって話なんだよね。
いやたぶん、あと3日もすれば意識もしないけど今話したら……絶対顔赤くなる。
そして、交流会で話しかけられれば関係性が疑われることになって、そのままリンチ!?
あ~~ぁ~~。
「りまおっはよー!!なにふせってるの?風邪?」
「あ……、羅奈ちゃんおはよ。」
「うわぁ。気力なくした人間みたいだね~。」
………みたいじゃなくて実際そうだと思う。
「ていうかさっ、今日交流会だよ!!もー、超楽しみっ。
相馬先輩に会えるし、りまも藤堂先輩に会えるじゃん!!」
「羅奈ちゃんは良いんだろうけどね………。」
ミーハーでも美人だし人気者だし、もし付き合っても誰もが釣り合っていると思うだろう。
あ……、そういえば羅奈ちゃんって藤堂先輩のこと來様って呼ばなくなったんだよね。
「うん。なんかね、相馬先輩と意外に気があってびっくりしちゃった。」
笑顔でそういう羅奈ちゃん。
「え?そんなに喋ったんだ。ていうかもしかして……相馬先輩のこと、好きなの?」
「かも?まあ、はっきりとじゃないけど狙ってみる。
藤堂先輩もかっこいいけど、私はチャラ男派なのかなー。話が弾む人が良い。」
確かに沈黙の時間は多いけど……。
「羅奈ちゃん勇気あるなぁ。さすが校内一の美少女?」
「りまがメガネ外せば一番だと思うけどね。」
「それはないよー。じゃあ、私は身を潜めてるから今日はアタック頑張って!」
「身を潜めてるって……。まあ、頑張りまーす。」
キーンコーン………。
「あっ、チャイムだ。んじゃ応援よろしく。」
「うん、バイバイ。」
クラスの皆が座ったところで出てくるお馴染みの担任。
名前を言いたいとこだけど、すでに忘れちゃったからどーでも良いんだよね。
「それじゃ、今日の交流会のことわかってると思うけど説明するぞ。」