なんで私が芸能人ッ!?
ーーーーーーーー??
えっ、なにも起こらない?
「おい、いつまで下向いて目ぇ瞑ってんだ?」
先輩の声が聞こえて、ぱっと目を開ける
「え………。」
先輩、笑ってる?
「ぶくくっっ、お前期待でもしたのか?」
やっぱり……。
「別に……。ただ逃げられなかっただけです。」
なんだか悔しくて言い返す。
「ふーん……。ま、お前のお仕置きなんてでこちゅーぐらいで十分だしな。」
ん?なんだか嫌な気配を感じてさっと逃げようとした………
が、頭を捕まれちゅっとおでこにキスされる。
「ふっ、お前にっぶ。」
先輩が超上から目線って感じで笑ってくる。
「は………ちっ、や………。」
とにかく恥ずかしくてなにか言い返そうとするけど、今度は言葉が出てこない。
…………たぶんまた顔赤くなってんだろうな。
「ふっ、つーかそろそろ戻るぞ。海斗達も戻ってくるころだし。」
何事もなかったように言う先輩。
さっさと立ち上がって家庭科室に戻ってく。
へなへなと力の抜けた私は座り込んで、
「先輩のバカっっっっ!!!!」
って誰もいない廊下に向かって叫んだ。