なんで私が芸能人ッ!?






ていうことで、木曜の連ドラをゲット致しました!!
カースト学級っていうドラマなんだけど、高校生のクラスにある上下関係についてって感じかな?







「あ、お前には言ってなかったけどな、このドラマの主演は天才若手女優って呼ばれる宮崎凛花だ。」






そう言う先輩。
ちなみに今は、スタジオへむかう先輩の車の中。






「天才……?」





「ああ。お前の一歳年上で、絶対にお前の良い勉強になると思う。」





へー………。
天才女優ってどんな人なのかな?
演技だけは負けたくないけど……楽しみ。





宮崎さんのことを考えてると、スタジオに着く。
初のドラマ撮影って言ったけど、今日はまだ打ち合わせ。





……んーっよし、芸能人モード入れるぞ!






それから打ち合わせの部屋に入ると、十分前なのに既に人がいた。





「おはようございます。」





ってとにかく、笑顔で挨拶をする。
近くには女の子が座っていて、その子の後ろの席に座った。
………先輩は私のとなりに。






あー、それにしてもさすが芸能界?
前の席の子って美人だなぁ。





白い肌が映える黒髪ロングに小さい顔。
少しキリっとした目は強気そうで、華やかさをあわせ持ってる。






「……ねえ、あなた演技でしょ?それ。」






ん?いきなり前の人が私に話しかけてくる。
って、早速バレた!?性格作ってることっ。違うよね!?






「えーと、すいません。私が何か?」






一応、芸能人モードを崩さない。






「ふふっ、舐めてんの?この私が演技かどうかの区別がつかないとでも?」






綺麗に笑った女の人。
でも………





「この私がって言われても……私あなたのこと知らないんですけど……。」





うん、知らないんだよね。
でもそう言ったら、なぜか驚いた顔をした女の人。
あっ?けどもしかして……







「宮崎、凛花さんですか……?」





「……ええ。そうよ?あなたは、新人さん?
うちのマネージャーが言ってた矢城さん……かしら。」





「は、はい!!」






「で?演技よね、今の貴方。」






うっ………なんて言えば良いんだろう。
ちらっと先輩見ても知らん顔だし。






「………この子も、私ですから……。」





苦し紛れにそう言う。
別に、間違ってないよね?





それに、先輩が微笑んでいるのが見えた。
きっとこれで良かったんだろう。
宮崎さんはというと………






「ふふっ……。」






また綺麗に笑っていた。
まるで、新しいおもちゃでも見つけたかのように。






「…………?」





「今は、それで納得してあげる。
もう、打ち合わせが始まるしね。」





「はあ……。」





なんか、よくわかんない人だな。
それより、初ドラマの打ち合わせなんだ。
集中しないと。











< 96 / 162 >

この作品をシェア

pagetop