神楽先生には敵わない
自分よりも年下でつい最近まで学生だった若造に話せるかっ!って、
思われてたらちょっと悲しいかもしれない。
それがもし、本当に‘恋‘という切なく苦しい悩みだとしたら、私だって……。
「みちるちゃん?」
その時聴き慣れた声がして声が聞こえた方向に視線を向けた。
そこには驚いた先生が立っていて、
思ってた以上にその容姿は目を見張るものがあった。
前髪を後ろに流すように整えられたオールバッグヘアー。
グレーのストライプ柄の浴衣に足元は下駄。
手には信玄袋を持っていて、まるで雑誌モデルがそのまま飛び出てきたような姿だった。
「え、あ、先生、早い・・・ですね」
大人の色気を放つ先生に直視できない私は、
赤い顔を隠すように俯きながら呟いた。
―――思ってた以上に先生の姿が眩しいな…。
いつもの服装からは想像もできないぐらいのオーラを放つ先生。
以前見たスーツの時もそうだったけど、
先生は元々身長あるしスリムなので、何を着ても似合うモデル体型なのだ。
「みちるちゃんこそ、早いんじゃない?あ。もしかして楽しみ過ぎて待ちきれなかった?」
「なっ!!」