神楽先生には敵わない


「…要は男として見れないかって意味じゃないのか」

「!!!!」

「それしかないだろう。むしろそれ以外の意味など思いつかん」


椎名のストレートな発言に思わず顔を勢いよく上げて顔を真っ赤にする私。

その反面、椎名は落ち着いているようで小鉢に入ったたこわさびを箸で摘み、口へと運んだ。





「先生の事を男性としてなんて…」



そう考えただけで心臓が飛び出そうなほど恥ずかしい。
今更出会った頃の気持ちに戻れなんて、無理に決まってる。



「…」



椎名の冷たく見下ろすような視線に気づかず悶々としていると、

痺れを切らした相手が確信につく言葉を告げる。





「好きなのか、お前。先生が」







今まで見て見ぬ振りをしてきた感情。

まさか。と自分自身疑ってきて簡単には受け入れ難かった思い。


でももう認めないと自分自身辛くなって、自分自身ずっと嘘をついたままになる。




もう…、解放してもいいよね。




私は少し照れながら椎名の言葉にコクンと小さく頷いた。



「でも、どうにかなりたいとかこうしたいなんて、大それた事思ってなくて」

< 116 / 159 >

この作品をシェア

pagetop