神楽先生には敵わない
「…要は男として見れないかって意味じゃないのか」
「!!!!」
「それしかないだろう。むしろそれ以外の意味など思いつかん」
椎名のストレートな発言に思わず顔を勢いよく上げて顔を真っ赤にする私。
その反面、椎名は落ち着いているようで小鉢に入ったたこわさびを箸で摘み、口へと運んだ。
「先生の事を男性としてなんて…」
そう考えただけで心臓が飛び出そうなほど恥ずかしい。
今更出会った頃の気持ちに戻れなんて、無理に決まってる。
「…」
椎名の冷たく見下ろすような視線に気づかず悶々としていると、
痺れを切らした相手が確信につく言葉を告げる。
「好きなのか、お前。先生が」
今まで見て見ぬ振りをしてきた感情。
まさか。と自分自身疑ってきて簡単には受け入れ難かった思い。
でももう認めないと自分自身辛くなって、自分自身ずっと嘘をついたままになる。
もう…、解放してもいいよね。
私は少し照れながら椎名の言葉にコクンと小さく頷いた。
「でも、どうにかなりたいとかこうしたいなんて、大それた事思ってなくて」