神楽先生には敵わない
明らかに歯切れの悪い口調に不信感マックスなのだが、
先生がそうしたいと言うのなら仕方ないと腹をくくった私。
「分かりました。編集長に確認をとってみます。じゃ…全員で先生とアシさん達、五人分でいいですね」
仕事用に持っている手帳を開き空いているページに殴り書きをする。
原稿の進み具合によっては出来そうかな…と、一ヶ月の予定表を確認していると、
ちょっとちょっと!!といきなり先生のツッコミが入った。
「何言ってんの、みちるちゃんも行くに決まってるじゃない」
「は?」
というわけでやってきました。福島。
新幹線で揺られ約四時間、到着したのは会津若松市。
何故会津なのかというと、東山温泉という有名な温泉街があるらしい。
しかしそれ以上に…。
「相変わらずだなぁ。何も変わってないや」
先生の故郷でもあったのだ。
「じゃ、お邪魔虫は消えるわね〜またホテルで~」
四人のアシさん達は気を遣ってるのか分からないが、そそくさといなくなってしまう。
駅前でポツンと残された私と先生…。