神楽先生には敵わない
今日も都心の天気はじめっとした、しとしと雨だ。
そんなどんよりの曇り空の下を歩く私。
手にはスーパーで買った品物が入ったビニール袋を持ちながら、傘を指す。
そして要約着いた先は仕事場のマンションだった。
「ごめんね、みちるちゃん。わざわざ来てもらっちゃて」
アシさん達が部屋で私を迎えてくれるが、
肝心の先生が見当たらない。
「先生は?」
「要約寝たところ。私達が半ば無理矢理寝かせたんだけどね」
アシさん達は困り顔で見合っている。
時間は夕方の五時を回り、
既に今日の仕事を終え、帰る身支度をしていた所だった。
「じゃ、あと宜しく頼むわね」
「お疲れ様でした」
四人のアシさん達が主婦の顔に戻る瞬間を玄関まで見送ると、
私は袋を台所へ一旦起き、寝室に向かった。