神楽先生には敵わない
「と、とりあえず何か飲み物持ってきますね!」
先生方のセクハラに容赦なく私の平手が先生の頬にクリーンヒット。
いたた....と蹲る病人を背に私は寝室を出て、台所へ。
ーー先生何考えてんのよ!
心配して損したっ!
顔が赤いままキッチンに立って袋から品物を出す。
風邪を拗らせた先生の為に果物や飲料水、
うどん、レトルトのお粥などたくさん買ってきた。
何かあってからじゃ遅いし、
少しでも体調を早く治してもらいたい一心で買ってきたものばかり。
それはあくまでも担当者として。
先生の担当者として、心配し動いただけであって....!
ーー....って何、ドキドキしてんの私。
胸の高鳴りがなかなか収まらない。
ドキンドキンと激しく鼓動しながら、
脈を打ち続ける私の心臓。
“みちるちゃんのキスで”
目と鼻の先に先生の顔があって、
少し動けば簡単に互いの唇が重なってしまう距離。
あんなに至近距離で変なこと言われたぐらいで、
何で馬鹿みたいにドキドキしなくちゃいけないの....っ!