神楽先生には敵わない
「ここ、ですか?」
若者のメッカと言われる程様々な人間が行き交う長い通り。
その一角にある大人気の店の前で、先生は足を止めた。
しかし店舗前には小中高生など、若い女性の長い列が軒に連ねていた。
「ここのクレープ美味いんだよ~」
先生はそう言いながら当然のように最後尾に並ぶ。
たしかに先生は自我認める大の甘党で、
先生のデスクには必ずチョコレートがあるぐらい常日頃から甘いものを食べている。
「何度来ても好きなんだよね、ここのバナナクランキーチョコレートクレープ」
いひひとそれはそれは幸せに笑い、
作りたてのクレープを手にした若者達を目で追っている。