神楽先生には敵わない
相変わらずマイペースだなぁ、先生。
どんなに素敵な格好をしていても、
やっぱり中身までは変わってないのが、ちょい嬉しかったり。
「でも先生、よく来ましたね。こういう場所好きじゃないならどうして?」
前々からあまり気賑やかな場所とか人が集まる場所には行きたがらない事を知ってた私。
だからこそ、こんな場所でまさか会うなんて思いもしなかったのだ。
「北村先生には昔お世話になったからね〜。デビュー当時とかちょくちょくご飯連れて行ってもらったし」
先生はそう言いながら、近くを歩いていたウェイターの男性が持っていたトレイの上に並べられたワイングラスを二つ手に取ると、
はい。私に一つの差し出してきた。
「男のクセに少女漫画なんてっ!ってよく驚かれてたな〜」
はははと笑いながらグラスを口にあて傾ける。
そんな話を聞いた私はふと一つ疑問が浮かんだ。