神楽先生には敵わない
それから数分後、先生はミネラルウォーターを持ちながら帰ってきた。
「大丈夫?まだ辛いの?」
「何とか、大丈夫そうです」
先生が帰ってくると私はここ再び起き上がった。
先程のムカムカは多少良くなってきて、まだ頭が少し痛むだけで済んでいる。
「まさかみちるちゃんが酒に弱いとはなぁ....」
先生はペットボトルの蓋を開けてそのまま私へ手渡ししてくれる。
ありがとうございますと受け取った私は少量だけ口に含み飲み干す。
冷たい水が喉を通っていく感覚が、
少しだけ気持ちを落ち着かせてくれた。
「....先生は苦手なもの、無いんですか?」
隣に座る先生を見つめながら聞くと、
実はね....と耳打ちでコソっと呟いた。
「ち、注射ですか!?」
「昔からダメなんだよね〜。あの刺す瞬間が特に」
想像もしていなかった言葉に驚く私に苦笑いする先生。