神楽先生には敵わない
ーー先生って、ホント謎が多いな....。
漫画を描いている時とは全くの別人。
明らかにオンオフの差が激しすぎて、
どっちがホンモノの先生がわからなくなるぐらいだ。
魅力的な先生だったり、
無邪気な先生だったり、
子供みたいな先生だったり。
「....先生って悩みとか、あるんですか?」
「悩み?」
いつもマイペースだから、何かに悩んだり考え込んだりする姿は一度も見た事ない。
単なる楽観的なのか、
それとも根はもっと深い所にあるのだろうか。
「ん〜」
先生は足を組み手で顎を触りながら考える。
数秒後、あ。一個あるわ。と何か思い出したかのように人差し指をピンと立たせて言った。
「何何?」
初めて聞く悩みに、ドキドキしながら先生の顔を覗き込む私。
「今日の晩飯何食べよっかな〜って!」
「へ?」
ニッコリ笑いあっけらかんと言った先生に、
私は思わず拍子抜けしてしまった。