神楽先生には敵わない
「だって悩みでしょ?僕あまり考え事しないからさ〜」
あはははと陽気に笑うその姿に、聞いた私が馬鹿だった....とついガックリ。
確かに真面目な話をしてもいつもうまく交わされてたっけ。
いつも仕事の事で大真面目に相談しても何とかなるよーって笑いとばされちゃって。
私よりいつも一枚上手の先生だから、
それなりの考えがあってなんだろうけど。
「そうですか」
何だか一気に力が抜けてハァとため息つくと、
どしたのよ?とニヤニヤしながら先生が顔を覗き込む。
「べーつに何でもないです」
「ガッカリしてる感じだけど?」
「そんなことないですー」
水を一口飲んで軽くあしらっていると、
みちるちゃん冷たいなぁ〜と先生が拗ねだした。
「冷たいのは先生じゃないですか。先生の事知りたいから聞いたのに」
何も考えずさらっと口から出た言葉。
それに先生が噛み付いた。
「僕の事、知りたいの?」