神楽先生には敵わない

「だって悩みでしょ?僕あまり考え事しないからさ〜」



あはははと陽気に笑うその姿に、聞いた私が馬鹿だった....とついガックリ。


確かに真面目な話をしてもいつもうまく交わされてたっけ。


いつも仕事の事で大真面目に相談しても何とかなるよーって笑いとばされちゃって。


私よりいつも一枚上手の先生だから、

それなりの考えがあってなんだろうけど。





「そうですか」



何だか一気に力が抜けてハァとため息つくと、
どしたのよ?とニヤニヤしながら先生が顔を覗き込む。


「べーつに何でもないです」

「ガッカリしてる感じだけど?」

「そんなことないですー」


水を一口飲んで軽くあしらっていると、
みちるちゃん冷たいなぁ〜と先生が拗ねだした。


「冷たいのは先生じゃないですか。先生の事知りたいから聞いたのに」




何も考えずさらっと口から出た言葉。

それに先生が噛み付いた。




「僕の事、知りたいの?」

< 46 / 159 >

この作品をシェア

pagetop