神楽先生には敵わない

「........」

手のひらで真っ赤な顔を覆いながら、指と指の間からチラリと先生の横顔を見る。


その視線と視線がぶつかった。




「そんなやっけにならなくても」



プッと吹き出して笑う先生。


驚いた表情は既に消えていて、
私を物珍しそうに眺めている。



「担当者として、ね。そりゃ知りたいよねぇ。売れっ子漫画家の頭ん中はどうなってんのか!?みたいな?」



....私の単なる勘違いかな。

先生、全然勘づいてない?



自分の思い過ごしだったのか、先生は腕を組み

うんうんと一人頷いてる。



私の知りたい発言の真意を先生は別のカタチで理解した様だ。



「....」





....でも、何?

この胸にぽっかり穴が開いたような感覚。



拍子抜けのような、
何とも言えないこの感情....。




「そりゃ常に読者が飽きない様な展開を考えてますよ〜」


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