神楽先生には敵わない


「何硬くなってんのよ、もっとリラックスリラックス」



ーー無理に決まってるじゃないですかっ!!



ソファーの前を横切る人達が不思議そうに私達を眺める中でリラックスなんか出来るわけがない。



そりゃ先生は神経図太そうだし?

周りの目とか気にしないだろうし?

いつもいつもマイペースだし?

我が道を行くって感じだし?



「....」




時々、不意に見せる男の顔が....、
悔しいけどカッコイイし。




そういう先生の色んな部分が重ね合って、

初めて人間、神楽誠一郎なのかなって思う。



少なからず私が知ってる先生はそんな人だから。







「あ、なんかこういうシチュいいな。疲れてる彼女を彼氏が優しく労ると。そして....」


何か閃いたのか、うんうん。と一人頷きながら独り言を呟くと、
私の顔にそっと触れてそのまま顔を横から角度を返え上に向かせた。



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