神楽先生には敵わない
Act.6 ほっておけない担当者
「ノリさん、ここ俯瞰からの校舎なんだけど、もう少し見上げる感じでいける?」
「はいはい、わかりましたよ」
「ヒサコさん、服のシワのグラさあと一枚乗せて削ってみてくれるといいんだけど」
「そうね。やってみるわ」
「ミナヨさんはベタとホワイトね」
「了解です」
「マサミさんは小物系と消しゴム宜しく」
「はいよ」
僕は完璧有能者である美人アシスタント様々(こう言わないと後での仕打ちが怖い....)に仕事を頼んだ後、
いってきま〜すとなに食わぬ顔をして仕事場を後にした。
緑の木々が生い茂る暑いの日。
長かった梅雨が要約あけて、夏本番になった。
長雨は嫌いじゃない。
だけどカンカン照りの太陽の下で散歩するのは格別にいい。
金田一耕助がよく被るお釜帽を被り、
煙草を吸いながら近くの広い親水公園へ向かう。
「あ、ネームFAXするの忘れちゃった」