神楽先生には敵わない
ーー♪♪♪♪
その時、突然みちるちゃんの携帯が鳴って、
みちるちゃんはすみませんと僕に頭を下げ席を外す。
そして鞄から携帯を取り出し誰かと電話をした。
僕はタバコを吸いながら数分目の前の景色を眺めていると、
会話を終えたみちるちゃんが再び隣に座った。
だが、その横顔は何だか浮かない表情だ。
「どしたの?」
「いえ....」
僕の問い掛けにも何処か上の空で答えるみちるちゃん。
それは明らかに様子がおかしかった。
「そう」
あまり深く聞いてもお節介なオヤジに思われたくないので、
僕は何気なく返しみちるちゃんから視線を逸らした。
ーー元気ないけど、どうしたのかな。
電話の相手誰だったんだろ。
会社の人間かな、それともプライベートな会話とか。
根掘り葉掘り聞きたいことは、
胸の中に。