神楽先生には敵わない
Act.7 目線が外せない二人
「そう、かな…」
頬杖をしながら友人の話を聞く私。
あれから数日後、就活を共にしてきた友人の先日の一件を相談するために、
休日の日にランチをすることなった。
「だってさ、せっかく上司が勧めてくれてるんでしょ、有り難く受ければいいよ」
友人は夢だった仕事に就けて、
毎日充実した日々を送っているらしい。
もちろんそれまで血が滲むような努力をすぐ横で目の当たりにしてきた私は、
友人が楽しそうに仕事の話をする光景が何よりも嬉しかったりする。
やりたい仕事をやれることが、
何よりも幸せだと痛感させてくれるからだ。
「みちる、ファッション大好きじゃん。いっつも雑誌見てさ、こんなコーデがいいとか、この小物はこれが合うとかさ。感性がやっぱり違うのよ。頭ん中が」
友人も私の夢をすぐ隣で応援してくれていた。
だからこそ、今回の話を誰よりも喜んでくれたのかもしれない。