神楽先生には敵わない

「若干キレ気味だったもんなぁ。彼。みちるちゃんに悪い事させちゃったか」



自分の都合で彼女に迷惑がかかってしまったのなら申し訳ない。

僕は自分の身勝手さに頭を片手でわしゃわしゃと掻き乱した後、小さく溜息をついた。



その時、ガチャとリビングの扉が開き、
自分の洋服に身を包んだみちるちゃんがやってきた。


「身体寒くない?冷たいのと温かいのどっちがいいかな?」

「冷たいので大丈夫です」


僕はソファーから立ち上がりそのままキッチンへ向かって飲み物の用意を始める。


みちるちゃんは少し落ち着かない様子でソファーに座り、俯きながら待っていた。




「無理矢理呼び出しちゃってごめんね。明日連絡すればよかったな」


僕は苦笑いしながら自分のコップに珈琲を注ぎ込むと、
二つコップを持ってソファーに近づき彼女に紅茶が入ったコップを差し出した。


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