神楽先生には敵わない
「もぅ!すぐ子供扱いしないでくださいっ!これでも担当者なんですから!」
頬を膨らませて拗ねる私を先生は笑みを浮かべたままで見下ろす。
子供扱いされるのは嫌だけど、
こうやって先生に撫でてもらうのは昔から好きだ。
気持ち良くて心地がいいからつい身を委ねてしまうのだ。
――♪♪♪
その時私の携帯が鳴って、すみませんと戦線から離れるとテーブルの上に置いてある鞄へと近づく私。
おもむろに携帯を取り出すと、着信は椎名だった。
「誰?」
「えっと…、椎名さんです。私の大学の先輩でクラージュの編集長をしてる」
先生の言葉に一瞬迷ったが椎名の事を伝えた。
ついさっきの事もあるし、先生にもあまりいい印象がないだろうなと思ったけど、
隠すことでもないし嘘をつくような事でもない。