神楽先生には敵わない
「またですかー!?」
あれから数日後、私は先生のマンションへと向かった。
読者アンケートを渡す事と次回号の企画を打ち合わせするためだ。
しかし空振りで先生は朝から外出中らしい。
「最近何だか悩んでるのよねぇ、先生」
「もしかして何処か病気なのかしら」
「いや、案外彼女が出来たんじゃない?」
「確かに原稿やりながら深い溜息ついてるもの、恋煩いね~」
アシ達はあははと笑いながら着々と原稿を仕上げていく。
しかし私としては決して聞き逃がせないワードに、堪らず話に割り込んだ。
「彼女、ですか…?」
昔から女っけなんか微塵も感じなかった先生。
確かに見た目は悪いほうじゃないけど、
性格に難アリだと思うが…。