神楽先生には敵わない
「最近さ、ファンレターとかにも連絡先書いてあったりするみたいじゃない?」
「でも皆十代の娘達じゃないの?」
「あらやだ!そんなのに手出しちゃったら犯罪じゃない!!」
「何言ってるのよ〜。先生には一番のお気に入りがすぐ近くにいるじゃないのよ〜」
その言葉の後四人の手がピタリと止まり、八個の目が私を捉えて、
私は堪らずその視線にたじろってしまった。
「あ、あの…」
「そうね!そうよ!みちるちゃんがいるじゃない!」
「私ったら何勘違いしちゃったの〜?」
「先生は昔からみちるちゃん一途じゃないの!も~」
「みんな原稿終わらせて、夕方のタイムセール間に合わせるわよ〜!」
四人で勝手に盛り上がって勝手に話を終わらせるアシさん達に、
私は結局最後まで圧倒されながら、
一番肝心な先生の居場所は聞き出せなかった。