神楽先生には敵わない
Act.10 見惚れる先生
八月の中旬、その日も朝からカンカン照りでその日差しは肌を突き刺すように痛かった。
私は早い時間から印刷所に行ったり、
後日行う企画の準備やらでバタバタしていた。
「じゃ、宜しくお願いします。失礼します」
入社して早数ヶ月すっかりデスクワークも板についてきて、
電話しながらブラインドタッチも出来るまでになった。
「今日は珍しく朝から動くね〜」
背後から笑いながら編集長が声をかけてきた。
「珍しく、は余計だと思いますけど」
一瞬ムッとしながら編集長を見上げて呟くと、まぁまぁと私を宥めてきた。
「対談の件、パステル側もオッケー出たからあっちにも企画書送っといたからね」