光 ~俺たちの居場所~
「今日の仕事は

 雑用みたいで

 つまらないだろ?」


俺はおどおどしながら

分けの分からないことを

口走っていた・・・。


「そんなことないよ!

 息抜きじゃない?

 昼間の外に

 こうやって

 出れて・・・

 海見れて・・・

 こうやって

 自由に休憩だってできる・・・。」


「・・・そうだな・・・

 今までなかったかもな・・・

 ゆっくり海見ながら

 こうやっているなんてことは・・・

 なんかいいかもな・・・。」


二人は海をずっと眺めていた・・・。


「私ね・・・

 親にはクズ扱いされて

 親友と思っていた子には

 裏切られて・・・

 どこにも居場所がなかったの・・・

 そんな時

 ゆみさんに出会ったんだ・・・

 泣いてる私に

 優しい声で救ってくれたの・・・。

 そのままゆみさんのところ

 きちゃったから・・・。」


「じゃあ・・・

 捜索願とか出してるんじゃない?」


「そんな親じゃない!

 自分の名誉のためにしか

 生きない父親!

 それにおどおどしながら

 くっついてるだけの母親!

 父親の跡を継ぐために

 必死に勉強している兄だけ!

 いつも、子供の頃から

 忘れられた存在・・・。

 虫けらを見るような目でしか

 見なかった親だよ!

 ・・・ずっと・・

 なんで産まれてきたか

 分からなかった・・・。」


一加は俺と同じように

思っていたことに

少し驚いた・・・。


親がいても

ずっと寂しい思いを抱えながら

生きている人が

いることも・・・。


産まれてきた意味が

分からない・・・


だからあの時

ゆみさんは俺だったら

痛みが分かるって

言ったんだと思った・・・。























 
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