先生と私と元彼と。
第十一話†憂鬱な二学期
母さんとは仲直り?
になるのかは定かじゃないけど
また会う約束をして、
私たちは一足先に旅館を出た。

あれから、月日が経ち
今日から二学期が始まる。

『今日から二学期だ、
しっかり授業聞いとけよ』

舷が大きな声で言った。

この時期の成績が
受験に影響すると
教師たちは言っているが
果して何人が真剣に聞いているだろうか?

他人が落ちようが
受かろうが関係ないけど。

だけれど、最大の憂鬱は席替え……

学期毎にやるのはやめてほしいのだ。

これは、一年の頃から常々思ってた事だ。


めんどくさい……

くじ引きを引く順番が
来たから仕方なく席を立つ。

二十番か。

黒板に書かれた
番号と照らし合わせながら
くじ引きの紙を見る。

廊下側の後ろから二番目。

まぁまぁいい席だ。

問題は前後と隣が
誰になるかだよね。

あいつは嫌だなとか
こいつは話したこと
ないなとか教室を見回した。

全員引き終わったらしく、
学級委員が机を移動させろと
指示を出している。

そして、隣に来たのは
学年一の秀才・萩嶺桂吾。

こいつならいいかな。

他人に積極的に
関わろうとしない奴だしね。

でもまぁ、とりあえず
挨拶くらいはしないと失礼かな?

『萩嶺君、
今日から隣だね、よろしく』

「ああ、よろしく」

思った通り、気のない
返事が返って来た。

気を遣わなくて
いい相手でよかった。

席替えも終わり、
二学期が始まった。

やっと、一段落ついたと
思ったのに、
また波乱が起きるなんて
予想もしてなかった。

親父は何処まで
私を苦しめれば気が済むんだ?

まぁ、正確には
親父の愛人であるあの女だけど。
< 14 / 17 >

この作品をシェア

pagetop