先生と私と元彼と。
第三話†今更
スーパーで見かけたあの日から
三ヶ月程経った月曜日に
又しても事件が起きた。
放課後、舷の家ともいい
今の自分の家に帰るために
駅へ向かっていると
突然私の前で
一台の車が停まった。
それは、親父の車だった。
「椛」
呼ばれたがシカトして歩き続ける。
ちらりと、目だけで
後ろを見るとまだ着いてくる……
私は携帯を取り出して舷に電話をかけた。
『今すぐ来て❢❢』
切羽詰まってるのが
伝わったのか、
「今すぐ行くからな」と言って
周りの先生たちに断りを
入れてるのが聞こえた。
十分後、親父の車を
抜かして私のもとに来た
車は舷の物でホッとした。
『ほら乗れ』
助手席のドアを開けて乗った。
『助かった、ありがとう。
それとごめんね……』
仕事中って言うか
部活中だったんだよね?
『気にすんな』
右手でハンドルを持ち、
左手を私の右手と繋いでくれた。
そのまま、家に帰り
着替えて一安心した。
『あの車誰なんだ?』
誘拐ではないのを
何となくは察してるみたい。
『父親』
げんなりとした声で答えた。
そんな話しをしていると
その親父から電話が来た。
『舷、出て』
私は話す気も
話すこともないけどね。
「椛、椛か」
舷は態と音量を大きくして
私にも聞こえるようにした。
『生憎、椛は今
自室で勉強中ですよ』
プッ。
何その設定。
「お前は誰だ?」
親父の焦った声が
可笑しくて声を
出さないように笑った。
『椛の彼氏ですよ
“お義父さん”』
ブフッ、もう舷のバカ
笑うの耐えてるのに!!
「“お義父さん”なんて
呼ばれる筋合いはない!!
そんなことより椛に代われ」
親父がそう言うと、
舷がジェスチャーで
部屋に行けと言った。
『じゃぁ、
椛に聞いてみます』
コンコン
舷がノックする。
『どうしたの?』
いかにも、
今知ったみたいな体(てい)を
装って返事をする。
『携帯鳴ってたから
出たんだけど、親父さんみたいで
椛に代われって
言われたから持って来たんだ』
舷を見れば、笑いを堪えている。
『わかった、携帯貸して』
はいっと渡された携帯。
一度深呼吸してから
話し始める。
『どうしたの?
今、宿題してたんだけど』
怒気を含んだ声で答える。
「勉強の邪魔して悪いが
さっき電話に出た男は
本当にお前の恋人なのか?」
恐らく、私を迎えに
来たことで疑ってあるのだろう。
『そうだよ』
時に優しく、時に意地悪で
私を甘やかしてくれる人。
「だが、
明らかに年上だよな?」
まぁね。
『間違ってはないね、
実際、十歳上だし。
だけど、私は彼を愛してるし
彼も私を愛してるくれてるから
年の差なんて気にしない』
それに、親父には関係ないこと。
「俺は認めんぞ」
その瞬間、私の中の何かが切れた。
『いい加減にしてよね❢❢
普段はほったらかしで
帰って来ないくせに
こんな時だけ大層にお説教!?
三ヶ月前だって
仲良さそうに
三人で買い物してたじゃない。
すぐ近くに居たのに
私に気付きもしなかった。
けど、そんなことは
この際どうでもいいのよ‼
言いたいことは
たった一つだけ、私に構わないで。
それに、最初、彼氏ん家に
行くからってメールしても
「迷惑かけないようにな」
だけだったくせに
何が「俺は認めない」よ』
スーパーでの一件を
持ち出されて親父が
電話越しに
息を飲む音が聞こえた。
怒鳴り散らす私を
舷が抱きしめて抑えてくれる。
『椛、落ち着け』
携帯を舷に押し付けて
キッチンに向かった。
食器棚からコップを出して
水を汲んで一気に飲み干した。
なんなわけ?
今更、父親面すんな❢❢
あぁ~もぉ
腹が立つ!!
この日から私は
親父の電話もメールも
一切返さなくなった。
私には舷が居てくれれば
それだけでいい……
三ヶ月程経った月曜日に
又しても事件が起きた。
放課後、舷の家ともいい
今の自分の家に帰るために
駅へ向かっていると
突然私の前で
一台の車が停まった。
それは、親父の車だった。
「椛」
呼ばれたがシカトして歩き続ける。
ちらりと、目だけで
後ろを見るとまだ着いてくる……
私は携帯を取り出して舷に電話をかけた。
『今すぐ来て❢❢』
切羽詰まってるのが
伝わったのか、
「今すぐ行くからな」と言って
周りの先生たちに断りを
入れてるのが聞こえた。
十分後、親父の車を
抜かして私のもとに来た
車は舷の物でホッとした。
『ほら乗れ』
助手席のドアを開けて乗った。
『助かった、ありがとう。
それとごめんね……』
仕事中って言うか
部活中だったんだよね?
『気にすんな』
右手でハンドルを持ち、
左手を私の右手と繋いでくれた。
そのまま、家に帰り
着替えて一安心した。
『あの車誰なんだ?』
誘拐ではないのを
何となくは察してるみたい。
『父親』
げんなりとした声で答えた。
そんな話しをしていると
その親父から電話が来た。
『舷、出て』
私は話す気も
話すこともないけどね。
「椛、椛か」
舷は態と音量を大きくして
私にも聞こえるようにした。
『生憎、椛は今
自室で勉強中ですよ』
プッ。
何その設定。
「お前は誰だ?」
親父の焦った声が
可笑しくて声を
出さないように笑った。
『椛の彼氏ですよ
“お義父さん”』
ブフッ、もう舷のバカ
笑うの耐えてるのに!!
「“お義父さん”なんて
呼ばれる筋合いはない!!
そんなことより椛に代われ」
親父がそう言うと、
舷がジェスチャーで
部屋に行けと言った。
『じゃぁ、
椛に聞いてみます』
コンコン
舷がノックする。
『どうしたの?』
いかにも、
今知ったみたいな体(てい)を
装って返事をする。
『携帯鳴ってたから
出たんだけど、親父さんみたいで
椛に代われって
言われたから持って来たんだ』
舷を見れば、笑いを堪えている。
『わかった、携帯貸して』
はいっと渡された携帯。
一度深呼吸してから
話し始める。
『どうしたの?
今、宿題してたんだけど』
怒気を含んだ声で答える。
「勉強の邪魔して悪いが
さっき電話に出た男は
本当にお前の恋人なのか?」
恐らく、私を迎えに
来たことで疑ってあるのだろう。
『そうだよ』
時に優しく、時に意地悪で
私を甘やかしてくれる人。
「だが、
明らかに年上だよな?」
まぁね。
『間違ってはないね、
実際、十歳上だし。
だけど、私は彼を愛してるし
彼も私を愛してるくれてるから
年の差なんて気にしない』
それに、親父には関係ないこと。
「俺は認めんぞ」
その瞬間、私の中の何かが切れた。
『いい加減にしてよね❢❢
普段はほったらかしで
帰って来ないくせに
こんな時だけ大層にお説教!?
三ヶ月前だって
仲良さそうに
三人で買い物してたじゃない。
すぐ近くに居たのに
私に気付きもしなかった。
けど、そんなことは
この際どうでもいいのよ‼
言いたいことは
たった一つだけ、私に構わないで。
それに、最初、彼氏ん家に
行くからってメールしても
「迷惑かけないようにな」
だけだったくせに
何が「俺は認めない」よ』
スーパーでの一件を
持ち出されて親父が
電話越しに
息を飲む音が聞こえた。
怒鳴り散らす私を
舷が抱きしめて抑えてくれる。
『椛、落ち着け』
携帯を舷に押し付けて
キッチンに向かった。
食器棚からコップを出して
水を汲んで一気に飲み干した。
なんなわけ?
今更、父親面すんな❢❢
あぁ~もぉ
腹が立つ!!
この日から私は
親父の電話もメールも
一切返さなくなった。
私には舷が居てくれれば
それだけでいい……