先生と私と元彼と。
第四話†私に安寧を下さい
神様は私が嫌いなんだろうか?
一難去ってまた一難。
あの一件から
少しの間は平穏だった。
帰宅部だが舷を待って
二人で帰るという
日々を過ごしていたからだ。
しかし、
又しても親父が
馬鹿なことを仕出かした。
三年になった
GWに入る少し前の
四月後半のある日の帰り、
その日は舷が職員会議が
長くなるからと
久々に徒歩と電車で
帰ることに前々から決まって
いたのだけれど、
これが、いけなかった……
親父は自分の車だと
私にバレて逃げられるから
愛人の車を使って
今度は誘拐紛いなことを
したのだった。
連れて来られたのは、何処かの廃屋。
『何がしたいわけ?』
私は今、ムカついている。
「椛がいけないんじゃないか」
はぁ?
とうとうイカれたわけ?
『意味がわかんないんだけど……
で? 何が言いたいわけ?』
段々イライラして来た。
誇れることじゃないけど
私はかなり短気だ。
「お前が年上の
男となんて付き合うからだろう」
益々、意味がわからない。
『この前もはっきり
言ったはずだけど
今更、父親面しないでよね。
そういうのが一番ムカつくのよ。
あの女と息子と三人で
暮らしてるなら今まで通り、
私に干渉して来ないで』
ストッパーである舷が
いないため、私は
溜めに溜めてきた鬱憤を
目の前にいる親父にぶつけた。
『小さい頃、
私がどんな気持ちだったか
知らないでしょう?
それもそうよね、
知ろうともしなかったんだから。
お母さんが出て行って
あの女と別れると
思ったのにそれは間違いで
殆ど帰って来なくなり
最終的には子供が出来た?
そのくせに、私が年上と
付き合い出したら認めない?
しかも、電話もメールも返さないからって
誘拐紛いなことまでして
本当、何がしたのかさっぱり
わからないんだけど……
ふざけんな!!』
此処は廃屋。
いくら怒鳴ったって叫んだって
人は出て来ないから好都合でいい。
親父は苦虫を潰したみたいな
表情(かお)をしたまま
口を開こうとしない。
ここで脅しの
一つでもすれば
今後一切、私に干渉して
来ないだろうか?
価値はありそうだ。
『ねぇ、二択なんだけど
どっちがいいか
よく考えて答えてよね(ニヤリ)
因みに拒否権はないから。
一つ.今後一切、
私に干渉しない
二つ.あの女の精神を
ボロボロにする
さぁ、どっちがいい?』
義弟は赤ん坊だし、
子供に罪はないから除外した。
ニヤリと笑った。
『後十秒以内に答えて』
カウントを始めた私に
親父は青ざめる。
『三……二……一……』
「わ、わかった‼
今日限りで椛に
干渉するのはやめるから
あいつを傷つけるのは止めてくれ……」
交渉成立。
『言ったね?
約束破ったら
あの女に何するかわからないよ?』
コクコクと頷いた親父。
『私を学校まで送ってって』
もう一度頷いて
来た時と同じように
親父が運転する車で
学校まで戻った。
『どうも』
一言だけ言って
車から降り、
職員駐車場に向かった。
まだ会議中かな?
舷の車に着くまで後二分。
お気に入りの曲を歌いながら
車に近づくと、本人が
そこに立っていた。
『紙畝地先生』
一応、学校の敷地だから
苗字で呼んでみた。
『糸納』
暗いし、誰も
いないからいいよね?
と思い抱き着いた。
『お前、連絡もしないで
何処に行ってたんだよ……
心配したんだぞ』
舷が抱きしめ返しながら、
もう一度「心配した」と言った。
あぁ~
心配かけちゃったなぁ。
『それは帰ってから
ゆっくり話すから早く帰ろう』
一秒でも早く家に帰りたい。
『わかった、ほら、乗れ』
車の鍵を開けて
助手席のドアも開けてくれた。
一難去ってまた一難。
あの一件から
少しの間は平穏だった。
帰宅部だが舷を待って
二人で帰るという
日々を過ごしていたからだ。
しかし、
又しても親父が
馬鹿なことを仕出かした。
三年になった
GWに入る少し前の
四月後半のある日の帰り、
その日は舷が職員会議が
長くなるからと
久々に徒歩と電車で
帰ることに前々から決まって
いたのだけれど、
これが、いけなかった……
親父は自分の車だと
私にバレて逃げられるから
愛人の車を使って
今度は誘拐紛いなことを
したのだった。
連れて来られたのは、何処かの廃屋。
『何がしたいわけ?』
私は今、ムカついている。
「椛がいけないんじゃないか」
はぁ?
とうとうイカれたわけ?
『意味がわかんないんだけど……
で? 何が言いたいわけ?』
段々イライラして来た。
誇れることじゃないけど
私はかなり短気だ。
「お前が年上の
男となんて付き合うからだろう」
益々、意味がわからない。
『この前もはっきり
言ったはずだけど
今更、父親面しないでよね。
そういうのが一番ムカつくのよ。
あの女と息子と三人で
暮らしてるなら今まで通り、
私に干渉して来ないで』
ストッパーである舷が
いないため、私は
溜めに溜めてきた鬱憤を
目の前にいる親父にぶつけた。
『小さい頃、
私がどんな気持ちだったか
知らないでしょう?
それもそうよね、
知ろうともしなかったんだから。
お母さんが出て行って
あの女と別れると
思ったのにそれは間違いで
殆ど帰って来なくなり
最終的には子供が出来た?
そのくせに、私が年上と
付き合い出したら認めない?
しかも、電話もメールも返さないからって
誘拐紛いなことまでして
本当、何がしたのかさっぱり
わからないんだけど……
ふざけんな!!』
此処は廃屋。
いくら怒鳴ったって叫んだって
人は出て来ないから好都合でいい。
親父は苦虫を潰したみたいな
表情(かお)をしたまま
口を開こうとしない。
ここで脅しの
一つでもすれば
今後一切、私に干渉して
来ないだろうか?
価値はありそうだ。
『ねぇ、二択なんだけど
どっちがいいか
よく考えて答えてよね(ニヤリ)
因みに拒否権はないから。
一つ.今後一切、
私に干渉しない
二つ.あの女の精神を
ボロボロにする
さぁ、どっちがいい?』
義弟は赤ん坊だし、
子供に罪はないから除外した。
ニヤリと笑った。
『後十秒以内に答えて』
カウントを始めた私に
親父は青ざめる。
『三……二……一……』
「わ、わかった‼
今日限りで椛に
干渉するのはやめるから
あいつを傷つけるのは止めてくれ……」
交渉成立。
『言ったね?
約束破ったら
あの女に何するかわからないよ?』
コクコクと頷いた親父。
『私を学校まで送ってって』
もう一度頷いて
来た時と同じように
親父が運転する車で
学校まで戻った。
『どうも』
一言だけ言って
車から降り、
職員駐車場に向かった。
まだ会議中かな?
舷の車に着くまで後二分。
お気に入りの曲を歌いながら
車に近づくと、本人が
そこに立っていた。
『紙畝地先生』
一応、学校の敷地だから
苗字で呼んでみた。
『糸納』
暗いし、誰も
いないからいいよね?
と思い抱き着いた。
『お前、連絡もしないで
何処に行ってたんだよ……
心配したんだぞ』
舷が抱きしめ返しながら、
もう一度「心配した」と言った。
あぁ~
心配かけちゃったなぁ。
『それは帰ってから
ゆっくり話すから早く帰ろう』
一秒でも早く家に帰りたい。
『わかった、ほら、乗れ』
車の鍵を開けて
助手席のドアも開けてくれた。