大工さんに恋していいですか?おまけ追加中
ハンカチを水道で濡らし、オレの指に当てた。

「ありがとう、大丈夫だよ、大したことない」

そう言って苦笑いする。


「どこが大丈夫なんですか?真っ赤になって・・・・

大事な手なんですから、応急処置は大事ですよ!」


多田さんの言葉に頷くしかなくて。


・・・しばらく冷やされた指は、痛みも半減していた。


「…本当にもう大丈夫だよ。もう少し仕事がしたいんだけどな」

そう言って多田さんの手をおろそうと片手で、その手に触れた。


「このままずっと触れていたいです」

「・・・・・」


多田さんの言葉に驚く。


「博さんの彼女は、岡田君に任せて、私を彼女にしませんか?」

「…多田さん、それは出来ない相談だな」


「こんなに好きなのに」

「…何度も言ってるだろ?オレには彼女しかいない、彼女しか見えないんだ」


「そんなのイヤ、博さんの彼女にしてください」


・・・ドン。…ズキッ。

多田さんが抱きついた勢いで、壁にぶつかる。

それと同時に、打った指がぶつかり、痛みが走る。

それでもオレは倒れないように、多田さんをしっかり抱きとめていた。

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